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作業・制作工程

 
01. 糸の仕入れ
02. 精錬
03. 糸染め
04. 糊付け
05. 糸干し
06. 糸ほどき
07. 整経
08. 綜絖通し
09. 筬通し
10. 製織
11. 補修
12. 色止め
13. 糊付け乾燥
14. 砧打ち
15. 仕上げ
16. 撮影
 
1. 糸の仕入れ
 
糸商などから必要な種類の絹糸を購入します。(精錬済みの方が多いです)
ものによっては髪の毛よりも遙かに細い糸を撚糸屋さんに撚ってもらい、必要な太さにしてもらいます。
2. 精錬(せいれん)
 
糸練り(いとねり)ともいいます。精錬されていない糸の場合、糸の表面にセリシンという物質(アミノ酸タンパク質)が付いていますのでそれを落とします。
セリシンを取ることではじめて、きれいな光沢のある柔らかい糸になり、そしてしっかり染料も入っていきます。
3. 糸染め
 
ソーラーである程度沸かしたお湯を沸騰させて、糸染めをしています。経糸(たていと)、緯糸(よこいと)共に染めます。草木染めも一部しておりますが、ほとんどは堅牢(けんろう)な化学染料を使用してます。ファッション性を考えると草木染めでは限界があるからです。そのため特にこの色は何で染めましたという区別はしておりません。染めた後は、酢酸を使って色止めをします。
4. 糊付け(のりづけ)
 
糸の種類によっては染め上がり後に糊付けをします。主に経糸と一部の毛羽立ちの多い緯糸に行います。
5. 糸干し
 
染め上がった糸を脱水して乾かします。乾くまではかなりの重量があります。
天井に作った専用の干場か、屋根裏に干します。干し方を工夫しないとほどく際に引っかかりやすくとても苦労をします。
6. 糸ほどき
 
乾燥した糸を御光という枠に取り付け、小枠、鉄枠などに巻き取ります。
そしてそれらを用途に応じて今度はコーンやボビンなどに小分けをします。
7. 整経(せいけい)
 
機織りの作業は面倒なことばかりなのですが、ここが最大の難所です。整経とはその文字の通り経糸を整える作業です。
製品の幅によって数百本から数千本の糸をもつれず、同じテンションで大きなドラムに製品の必要本数が取れる分だけ巻き取っていきます。
8. 綜絖通し(そうこうとおし)
 
ここも難所です。踏み木を踏んだ際、上げ下げされる部分で真ん中に穴の開いたワイヤーがたくさん並んでいます。これを綜絖(そうこう)といいます。枠に囲まれており、4枚なら4枚綜絖、8枚なら8枚綜絖・・・のように使われます。7.で巻き取ったものを機にセットし、綜絖の一つの穴に経糸を一本、2本ずつ通していきます。(あとで間違いに気づいたときはそこまで戻らなければいかず、たまに織りはじめてから気づくこともあり泣きたくなります)
9. 筬通し(おさとおし)
 
次にバンバンと打ち付ける部分を筬(おさ)といいます。櫛のようにスリット状になっており、その一羽一羽に1〜2本または少しまとめて糸を通します。ものによって数百本から数千本の経糸を通し、その後、織り始められる段階まで準備します。
10. 製織(せいしょく)
 
ここが皆さんご存じの織りの部分です。織りたいものに合わせた横糸を準備し、それを杼(ひ・シャトル)にセットして、やっとここで織ることが出来るのです。ネクタイの場合一本もしくは一本半ほど織った段階で製品を切り離します。楽しみもあり、難しくもあるのですが、気分が乗らないときは形にすぐに表れますので、無理して織らず違う作業をしてます。^^
11. 補修
 
緯糸には太さに差があるもの、表情があるものなど様々です。織りながらも調整しますが、織り上がって毛羽立ちが目立ちすぎるものは、ここで少しカットします。 カットしすぎてもつまらなくなったりもします。また糸飛びなどある場合もここで補修します。マフラー、ストール、帯、などここで総結びをします。
12. 色止め
 
もう一度ここで色止めを行い(ネクタイ、マフラー、ストール)全体に軽く糊付けもします。(ネクタイ)それを脱水する際、遠心力と重力で、必ずまっすぐのものも曲がってしまいます。
13. 糊付け乾燥
 
総の部分(ネクタイ、マフラー、ストール)に糊を付けます。
ネクタイは更に側面にも糊を付けます。そして曲がり具合を修正しながら丁寧に干します。
14. 砧打ち(きぬたうち)
 
あかちゃんのガラガラを思わせる木で作った布を叩くものがあります。
これで乾いて少しごわついたネクタイ、マフラーを切り株の上で叩きます。この叩き方の加 減によって柔らかさを調節できます。ネクタイは締めているうちに柔らかくなりますので、ここでは少しかためにしています。砧(きぬた)は叩く側なのか叩かれる側なのかは諸説あり分かりませんが、私はガラガラの方だと思っていました。
15. 仕上げ
 
仕上げでさらに形を整えながら、注意深くアイロン掛けをします。
その後ネームを付けたり、総を切ったりします。
16. 撮影
 
ホームページ用に1枚の写真につき最低3パターンの撮影をします。
それでもきちんとした色は出にくいですのでご了承願います。以前に撮影したものは仕上げ後すぐに発送というパターンでしたので、撮影できなかったりカット数が少ないのですが、同じものを織りましたら少しずつ入れ替えていきます。ネクタイ以外は全く撮影をしてませんでしたので、商品アップ出来る商品点数は非常に少ないです。